実験6

オイルコンパウンドの評価 3 (2004.6.)

  • CPUの放熱用コンパウンド(Thermal Compound ZERO、Thermal Compound XP、G751、Test Sample) の評価を行った。新開発「ZERO」の試験が趣旨です。
  • 環境 (室温:26℃)

     CPU  P4 2.6GHz@3GHz
     ヒートシンク  水冷
     MainBoard  P4P800
     Memory  PC800 512MB
     OS  Windows 2000

    測定方法:

    1. ウォーターヘッドにThermal interfaceを薄膜塗布する
    2. OS起動後、コア電圧1.65Vで3GHzまでオーバークロック
    3. CPU温度が下限で安定するまで待つ
    4. CPU発熱ソフトを同時に3個起動させ、CPU付加100%の状態を維持する
    5. その際のCPUコア温度とウォーターヘッドの温度を測定する

    Thermal Compound XP は極薄の塗布が不可能なので、製品添付の資料にそって塗布


    試験材料の特徴
     分類 オイルコンパウンド
     品名 ZERO
    XP
    G751 Sample
     熱伝導率( W/m・℃) 揮発前 揮発後  10  4.5  2.1
    6.5 10
     粘度 100 650 350 262

    実験を終えて
    ZEROはXPの進化版であり、溶剤で希釈することにより、塗布しやすい粘度にしたものです。初期の熱伝導率はXPよりも低いのですが、薄膜塗布が可能であるため、良い結果が得られました。また、60℃×30分の予熱を加えることにより、溶剤が揮発し、本来の熱伝導率が得られます。今回の試験では、その裏付けがとれたのではないでしょうか。当然、環境により、別の結果となることも考えられます。

    今回、非常に良かったと思うことは室温(PC周辺)の温度が±0.3℃で測定できたことです。水冷の利点の一つなのかもしれませんが、別のところで熱を逃がすため、PCケース内の熱ごもりもなく、信頼のおけるデータがとれたのではないかと思います。

    以前、懐かしの486システムが非常に不安定なので具合を見て欲しいと依頼がありました。CPUに負荷をかけると、突然システムが停止することから、CPUの放熱と判断しました。ヒートシンクを外してみると、白いグリースが劣化して、密着とはほど遠い状態になっていました。当時は現在ほど高性能なグリースが必要では無かったと思います。あるメーカーを例にとると、安いものから、高価なものまでずいぶんと種類があります。熱伝導率が高いものは一般に高価です。希少価値、話題性というものが一般の販売では当然、付加価値となるわけです。しかし、それとは別に実質的なところで高価になっています。充填材により価格が上がるのもそうですが、20℃〜80℃の温度衝撃を繰り返し受けるわけですから、時間的な性能の劣化をどれだけ防ぐかということも重要な要素であり、日々、研究・開発されています。その分、高価になります。

    時間的な劣化の例として、グリースの移動があげられます。安価なグリースは柔らかく比較的移動が多いため、気泡の発生や、流出による密着不良が起こりやすくなります。XPはグリースと言うより、やはりコンパウンドなのでしょうね。ぱさぱさに近い状態です。塗布が難しい反面、時間的な移動はほとんどありません。G751は、ある意味、高性能放熱グリースの基準になっていますから、こちらもお墨付きです。

    話がそれましたが、「ZERO」は自信を持ってお勧めできる一品です。
    熱伝導率が2倍でも、温度が6℃も7℃も下がるわけではありません。用途によって、安価なグリースでもいい場合、高価なグリースでないとだめな場合、いろいろあると思います。最近は用途も広がってきたのではないでしょうか?ヒートシンクの大型化が止まらないグラフィックカードのGPU、Pentium3を思わせるチップセット。いろいろ試してみてください。